〜あとがき〜



この『戦えムーミン一家』第一部は私が朝目新聞様で連載していた作品です。

最初はたった一枚のネタ絵が始まりでした。

それがまさか一年もの間、総数226枚もの投稿作品に仕上がるとは

一年前の私には想像もしていなかったことでしょう。



この物語は『7〜80年代のベタさと臭さと王道を地で行きつつ、

先を悟られないで常に読み手の裏をかく』というコンセプトで描いてきました。

あまり深さのみを先行して突拍子もない話にしても王道じゃないし、先の展開を予測出来ても面白くない。

「読めるんだけど読めない」、そんな微妙なさじ加減が一番大変でした(苦笑)





『戦えムーミン一家』には、

作品を通じて私なりに伝えたい「心構え」や「心意気」を盛り込んできました。


スニフには「心や理性は恐怖や弱さ程度に負けない事」。

スナフキンには「自由の果てにある物は必ずしも理想ではない事」。

ムーミンには「希望の為に絶望を受け入れる覚悟が必要である事」。


生きるという事が、必ずしも前向きではない事。

だからこそあえて前を向くのだという事を。

臭くも熱い台詞には、そんな思いが込められています。




作品を書く上で、「伝えたい気持ち」が一番大事なんだろうなと思います。

書きたい物があるから書く。伝えたい言葉があるから書く。

誰かの心の琴線に触れて欲しい一心で人は文を綴るのでしょう。






そして「作品は一人の力で作り上げる物ではない」と一層実感しました。

私一人で書いていたら、きっと途中で気力切れしていたと思います。

作品を読んでくれる人がいる。気持ちを汲んでくれる人がいる。

支えてくれる人がいて、受け止めてくれる人がいる。

応援してくれる人、叱咤激励してくれる人、時には苦言を呈してくれる人。

その人達なしに、この作品は完成しなかったと思います。

もし描けても作品としての体を成してない代物になっていたでしょう。

私は作品を公開する機会に恵まれ、公開する場所に恵まれ

そして読んでくれる人達に恵まれました。

こんな嬉しい事はないと思います。本当にありがとう御座いました。

最後まで応援して頂けて、本当に感謝です。





最後に一言


あなたの心にムーミンを!



2005/9/1 作者:クレイマン





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